車高の低い、まさに地をはうという表現が似つかわしい1974年式スパイダー。
これと比べたら私の最終型はまるっきり普通の乗用車である。当時はサイドスカートにエアロパーツを付けることもなかったのでボデイも非常に薄く、スポーツカー然とした好ましいシルエットを見せる。考えてみるとこのコーダトロンカは84年まで製造されていた筈だ。そのくらいの年式を探させば旧車というより、ちょっと古い中古車として肩肘はらずに付き合えるかもしれない。
デユエットと比べるとシンプルかつ直線的なリアビュー。車高を落としてあるせいか、コーナーリングは非常に安定して速く、現在でも十分にスポーツカーと言えるものだ。同じジュリアでも重心の高いスーパーはこうはいかなかった。ひょんなことからSやま氏のスパイダーを譲り受けることになったK氏弟。ドアを開けずに飛び乗る練習などして、愛用していたが冷却水にオイルが混じっているのを発見、これを機会に懸念のエンジンヘッドのオーバーホールを済ませた。
で、この間私も乗せてもらったのだがこれがまた、とても気持ちヨイ。アクセルに足が吸い込まれていくようなレスポンスの良さ!野蛮な咆哮!!世の中のしがらみを全て忘れさせてくれる非日常性!
やはり面白さの面では、現代のクルマはキャブのクルマには絶対勝てないのだ。