1966プリンス グロリア スーパー6

プリンスグロリアS40は昭和30年代生まれの人間にとってまさに憧れの高級車。クラウンやセドリックより更に上級なイメージで、 実際の所、価格も少々高かったようだ。
コスト度外視で質の良いクルマを作ったが為、プリンス自動車は生き残れなかった。逆にトヨタは商品としてコストを重視してクラウンを作ったから今に至るまで隆盛を極めている。プリンス自動車というと、漠然とそんなイメージがある。いわゆる技術志向で商売下手。そんな所が未だに多くのプリンスファンを惹きつける理由だろう。でも当時のクラウンRS40、50も違う意味で大好きなんだけどね。

このグロリアは、マニアに2型と呼ばれている後期型だ。日産とプリンスが合併して以降、マイナーチェンジを受けた後のモデルである。

合併直後の複雑な事情を示すかのように、フロントとリアパネルにはプリンスと日産のエンブレムが共存している。聞くところによると、2型は1型に比べると各所にコストダウンが計られているらしい。フィアットに吸収されて以後のランチアも同じことが言われていた。ランチアの場合、手始めにコストの安いフィアット製のボルトを使う事から始めたという。
洋の東西を問わず、企業合併とはそういう事なのだろう。


この頃のセダンは白タイヤは定番!ということで購入してまず、何はともあれタイヤを探した。で、なんとかブリジストンの輸出用タイヤが入手できた。
だが、付けてみると何かが違う。外径が小さくて車高が落ちてしまうのだ。1966年当時のタイヤサイズは700-13。最大級のセダンでも13インチを履いていたのだ。勿論、今はそんな変なサイズは入手できず185-70-13あたりになってしまう。
今、現存しているクラウンやグロリアが昔と何かたたずまいが違うのはタイヤのせいなのだ。どこかのメーカーでハイトも高いタイヤを復刻してくれないかなあ?

グロリアS40のスタイルは実にのびやかで高級感がある。私に世界中で最も美しい4ドアセダンを10台選べ!と言われたらグロリアはきっとその中に入るだろう。と、いうことで余裕があったら一生モノにしたいクルマです。

フロントグリルは鉄板の打ち抜きプレスだが2型の方が目が粗い。外観ではそれとボデイサイドのPのエンブレム、フロントバンパーのクランク穴の有無くらいしか識別点がない。
あとはコストダウンの為か各部メッキトリムが短い!らしいが確認はしていない。


そして国産初のOHC6気筒エンジンがなんともスムーズだった。メルセデスの6気筒を参考にしたというこのG7型エンジンは次世代の縦目グロリア時代にフェードアウトしてしまい、その後はL20の時代が延々と続くのだ。

白いハンドルがなんとも優雅。エボナイト製のこの白いハンドルにひび割れがない事がS4グロリア乗りのステータス?だった。

私のは残念ながら左握り部にひびがあるが、まあ、少ない方だろう。ダッシュ全面にはアルミパネル状の飾り板が付いて豪華な雰囲気を醸し出している。

ギアは3速プラスオーバードライブのコラムシフトだが、スムーズな操作感で、流石は高級車は違うなあと感心したものだ。同時代のコロナも持っていたので、比較するとその高級さがよくわかる。

端正なサイドビュー。タイヤのハイトが不足しているのがお分かりいただけるだろうか。

ボデイを一周するモールはステンレス製。ドアハンドルのみ鉄にメッキした物だったので、そこだけ錆びて来たものだ。

フロントフェンダー下に見える長方形のバッジは2型だけに装着されるプリンスのエンブレム。

特徴的な楕円型のテールレンズ。下半分のアルミの飾り板とバンパー上のオーバーライダーは高級グレード、スーパー6にだけ装着されるものだ。

筆記体の日産エンブレムは2型のみに付く日産に吸収された証だ。

1型と2型はこういった小さなエンブレムくらいしか相違点がない。それだけ、よく出来たスタイルだったという事だろう。

この黒いs41購入から15年近くを経て、想い覚め止まぬ私は、またも同型車を購入した。

その詳細はこのリンクで。

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