1994 フィアット・クロマ・ターボie


PACO山氏は次なる伴侶を求めてさまよっていた。現在のアシグルマ、プジョー505はすでに走行14万キロに達している。

安心して乗れるように機関には随分手と入れた。しかし相手はフランス産の13年落ちの過走行車、

次々と不具合を訴える。

次のアシに対するPACO山氏のどうしても譲れない条件は、左ハンドルのマニュアル車。しかも格安というわがままなもの。

そんなものあるのかなあと思ったら、ひょんな所からこいつが現れた。

フィアット・クロマ。80年代フィアットのフラッグシップだ。

写真を撮ってみると意外に格好良い。現車はやや車高を落としるがそのせいかもしれない。

このクロマは後期型で、同時代のティーポやウーノと同じイメージのフロントマスクを付ける。

前期型はもう少しシンプルなデザインで、フィアット・パンダを連想させる。

よく知られているようにクロマは、サーブ9000やランチア・テーマ、アルファ164と兄弟車である。確かにドアのプレスなどはテーマとよく似たデザインだ。全く同じものを使っているかどうかは残念ながらよくわからない。知っている方がいれば、教えて下さい。

この手のクルマは、60年代のクルマのように時々話題に上る事もないので、逆にとても懐かしく感じる。

私も80年代の若かかりし頃をちょいと思い出しました。

いつの時代も、プレミアムサイズのフィアットの販売は難しい。フィアット=小型車=安い大衆車というイメージが強く、プレミアム色を出しにくいからだろう。確かにイタリアの高級車だったらランチアを選ぶよな、うん。

と言う訳で、スタイルが地味ーな事もあり、日本でのクロマの販売は振るわなかった。(イタリア本国は知りません)

とまあ、お決まりのうんちくを語ったあと、クロマを良く見ると、真面目につくられた好ましいクルマである事に気が付いた。

全長は4、5メートル足らずだが室内は十分に広い。

ノッチバックのセダンの形状を持つが、後ろのハッチゲートは大きく開く。現在のようにRVが一般化する以前は、こういったセダンを時々見かけたものだ。

使い勝手はかなり良さそうで、実用セダンとしては十分合格のパッケージングだ。

内装は豪華な革内装を奢られていて、とても快適そうだ。

思わず長距離を走ってみたくなる。

ドアの開閉もバムッと重圧な音がしてなかなか良い感じ。

ただちょっと問題なのは、このクルマも過走行車なんだよなあ。


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