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西暦2000年の現在、新車時の姿を保った1972年式のフロンテGT−Wがこの日本に一体何台生存していることだろう?もしかして、ヘラーリF40よりも少ないかもしれない。松田コレクションとかも博物館の一番いい場所にヘラ〜リなんか置かないで、日本の歴史の生き証人、フロンテGT−Wを展示するべきである。 フロンテGT−Wのスタイルを眺めて欲しい。デザインスケッチとは似ても似つかぬ寸ずまりのスタイル。「ステイングレイルックが流行る」というキャッチコピーが懐かしい。誰がこの寸ずまりからエイを連想するのだろう?そして、精一杯豪華さを盛り込もうとした、ゴテゴテしたデザインの樹脂製フロントグリル。当時の軽自動車の全幅では絶対無理があるのに、敢えてそれをやる無謀さを称えたい!! なんと微笑ましい事だろう!70年代の日本を生きた貴方には、もはや他人事とは思えない筈だ。貴方が短い足にベルボトムのジーンズを履いて、長髪にロンドンブーツで街を闊歩したあの当時、フロンテGT−Wも彼なりに精一杯格好を付けていたのだ。 ということでフロンテGT−Wはニッポン軽自動車史上に燦然と輝く名車である。もはや、ヘラーリもアストンマーテインも敵ではない。唯一最大の欠点はちょっぴりビンボ臭いことであろうか。 |