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私のかつての愛車プジョー505は引き取り手のないまま、M自動車のヤードで余生を送るかと思われた。 しかし、捨てる神あれば拾う神あり。ある好事家のアシとして505は復活を果たした。 何がそんなに気に入ったかを聞いて見ると、かさぶた状にヤレた塗装がどうにもたまらないらしい。もはや変態の領域に踏み込んでいる彼の言葉に、私は力無く笑うばかりであった。 続けて、好事家は焦点の定まらない目で独り言のようにつぶやいた。「505の聖地へ行って私の迷える魂を癒したい…」 |
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我々はほのかにクーラントの匂いの漂う505に乗り込んだ。その筋ではつとに有名な、西武自動車系取り扱いのクルマたちが数多く眠る聖地を目指す為に。 現地に着くと、505の大群が我々を出迎えた。解体車も含めると10台はあったろうか。ある所もはあるものだ。さすがに聖地と呼ばれるだけの事はある。 |
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このクルマの前輪についているスチールホイール、いいですね。 いかにもフランス車らしいショボ目の感じが。 |
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好事家氏は1台の505が付けていた中期型のアルミホイールがいたくお気に召したようである。 それにしても、いい大人が人目もはばからず欲しそうにしている図はみっともないなあ。私も気を付ける事にしましょう。 |